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原油高の真相

 原油高の真相     2008/06/25

世界中が全く新しい「価格体系」へと移行する過程にある。これが今日的状況、すなわち原油を中心とする一次産品の高騰を説明する適当な答えである、と考えます。

つまり、先回(『ルールは資本主義、思考は社会主義』2008/06/09)、「二つの部屋を隔てていたドアを一斉に開けたとしたなら、どうなるでしょうか?」と、資本主義経済圏が共産圏を取り込む90年以降の状況を書き記しましたが、――「ドアを開けた」=グローバル化によって、先進国の10億人の市場が、BRICsその他諸国の30億人もの人々の市場との統合――価格体系の全く異なるこれら2つの市場が一つになることによって、我々(暖かい空気)がBRICsの冷たい空気に引き込まれて行く現象が起きてきました。これが「デフレ」の主因です。――冷たい空気が、これ以上上がらない、暖かい空気も、これ以上下がらない――収斂されるまでは、デフレが続くわけです。そして、今日起きている「原油」その他の一次産品の高騰は、2つの市場(空気)が一定の状態で落ち着き(収斂され)、次なる動きが始まったことを物語っています。つまり、それが世界中でこれから起こる「価格調整」の始まりなのです。「価格調整」をひと言でいえば、本源的価値への回帰です。つまり、価格において日本が中国と同じになることです。それは、不動産価格・賃金・その他すべてが、中国と同じ体系になることを意味します。これまでの第一段階「デフレ調整過程」には長い時間がかかりましたが、第二段階の「インフレ調整過程」は比較的短期で移行するものと、考えています。――「あっ・・・・という間」です。

『日経新聞夕刊』2008/06/24 に「日本、所得流出際立つ」と題して「資源高の影響を自動車・電子デバイスその他において価格転嫁が進まず・・・結果、交易損失26兆円に(08/1-3)」といった状況にある旨、が掲載されていますが「市場統合」は原材料のみならず食料も同時に高騰し、自給率30%台のわが国においては、貿易赤字転落、外貨準備マイナスの状況は必至と・・・(原油の自給を加味すると、食料自給率は数パーセント/食料も原油で出来ている)。

※ 価格転嫁出来ない=負のスパイラル=貿易赤字 → 食料供給(輸入)困難  

歴史を遡れば16世紀の欧州においても「市場統合」が起きています。それは、地中海沿岸(ギリシャ・エジプト)から北部(イギリス・フランス・ドイツ)へと、欧州の中心が移行する過程で、革命的な「価格調整」――非連続的な価格体系がその後形成されていった歴史があります。当時の物価の中心は、食料と衣類でした。がしかし今日のその中心は、原油であり食料であり――生命維持に必須のものです。また、その規模においても大きく異なります。

すなわち、あるモノは数百倍に、あるモノは数十倍に、あるモノはマイナスに・・・と、数ある品目ごとに価格競争を起こし、そのスピードを品目あるいは地域(国)ごとに競い合う状況が起こるものと考えられます。人間の力では成す術が無い程のスピードで、それは起こります。この度の「ガソリン」の高騰を思い浮かべてみて下さい。――がしかし、これから起こる調整は、世界中で一挙に――それもパラダイムが劇的に変化する程のものです。それによって、我々は異次元の世界を経験することになるでしょう。

 

それは、第一段階「デフレ調整過程」→第二段階「インフレ調整過程」→第三段階「通貨価値調整過程」の変遷を経て完結します。

 

※第二段階「インフレ調整過程」の初期(現在)では、ドルと原油とが反比例する状態にあります。これを「投機筋が原油価格を吊り上げている」とか、「産油国が供給を抑えている」とかの報道がされていますが、その真相は第三段階に入る頃には一般にも見えてくるものと考えられます。――「通貨からの価値逃避が起ろうとしている」、と考えるのが適当かと。

 
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