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篩いにかけられる時代

篩いにかけられる時代  2008/06/25

 

 4年前に私は、『ベンチャー企業のスペシャリスト』という本の中で、「ポスト・デフレ下の戦略のカギ」と題して次の点を指摘したことがあります。          

 

「 価格上昇局面では、価格上昇スピードのもととなる商品や役務提供の競争力が問われるのではないでしょうか。<中略> つまり、商品・役務(収入)は、一方で内部の給与や支払利息などすべての支出と、そのスピードを競わなければ経営が成立たない。ポスト・デフレ下(経営がふるいにかけられる時代)の戦略のカギは、そうしたところにあります。」

 

 当時、デフレの真只中にありました。そして多くの人々は、デフレが永遠に続くかのように・・・考えていました。中国をはじめ発展目覚しいBRICsからの安価な商品で溢れかえる市場――、有史以来の類稀な金利水準――は、心地よいそよ風となって感じられました。そして、そうした状況にすっかり慣れきったころが最も危ないものです。――心理学や行動経済学において多くの研究者が、「人間は非合理的な存在で、変化に対して『何もしない』ことを選択する傾向が強い」ことを実証している通り、「そよ風に慣れきった状況」によって、次のトレンドに十分な舵を切れなくなる傾向がより強くなるからです。それは、「ゆで蛙の法則」と一緒です。蛙が、沸騰したお湯に入れられたなら直ぐに飛び出ますが、温い状態から段々に暖めて行ったならば沸騰するまで気づかずに、最後は「ゆで蛙」となってしまうのと同じことで――我々も「ゆで蛙」になっていた(いる)、のが今の状況ではないでしょうか。

 私は以前から「固定金利」への切換を奨め、クライアントの多くは「固定」を主にしています。一般には、現在でも固定での借入れは(住宅系を除けば)全体の極めて僅かな比率に留まっているのではないかと思います。しかし、これが大きな爆弾となって事業を持ち堪えられなくする日が近づきつつあります。――数値分析(インタレスト・カバレッジ・レシオ)によって、その分岐点を知ることができます。既存の変動金利借入金が、金利水準の許容幅と期間において、どの程度持ち堪え得るか、を読み取ることができるからです。    

 

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