ルールは資本主義、思考は社会主義
ルールは資本主義、思考は社会主義 2008/06/09
覇権シフトは、長年に亘る歪みを解消する働きがあります。「歪み」の解消の始まりは、米ソの冷戦構造の終結によるものでした。
皆さん、このように考えてみて下さい。
氷点下の外気のなかにあって、ドアを隔てた二つの部屋があります。ひとつの部屋はストーブを焚き真夏のような気温に、もうひとつの部屋には暖房は無く外気と変わらない気温であるとします。二つの部屋を隔てていたドアを一斉に開けたとしたなら、どうなるでしょうか?
皆さんは、暖房のある方の部屋にいます ―― 氷点下の外気が流入してくる状況を想像してみて下さい。最初は、心地良い冷気を好感することでしょう―― しかし、程無くそれが一変するはずです。
90年以降の世界は、こうした状況にありました。資本主義経済圏が共産圏を取り込む最中、他方わが国のバブル絶頂期―― 経済界ではこれを好感し「商圏が倍になる」と考えたのでした。その後の凋落が示す通り、財界首脳の多くは、先を“読み違えた”のでした。
そして、あれから20年を経た今もなお、わが国のリーダーの多くが、潮流を掴めずにいます。折しも、世情を騒がせた「ライブドア/村上ファンド事件」の当時、財界を代表する経営者が「会社は社員のモノ」と公然と答える姿は、諸外国の人々の目にはどのように映ったことでしょう―― 。
そうした人々の認識は、「明治維新を迎え鉄道が通る時代に、草鞋を編み籠を担ぐことの時代錯誤をなんら疑問視しない」ものと等しく、潮流とは縁遠いものです。
時価総額経営を標榜する近時、わが国でも昨年から株式交換による企業買収が解禁されました。自社株の一部を放出することによって、他社を買収する―― 時価総額1兆円の企業は、その1割に相当する株式の放出によって、時価1千億円の企業を買取ることが出来る。そこでは、市場での資金調達も必要としないのです。したがって、株価が上がれば上がるほど、世界のマーケットから欲しい企業を買ってくることが出来る、そうしたルールをわが国は容認し法制化したのでした(2007/05/01施行)。もっとも、それが世界のスタンダードなのですから、わが国だけが容認しない、とするダブルスタンダードが通るわけもなく、済し崩しの状況です。
⇒三角合併容認による影響その他 ↓ ①企業価値≒株価、の創出を伴わない賃上は、今後は生じ得ない。 ②敵対的買収防衛策は、株価を下げる働きに作用する。