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パラダイム変化への備え

パラダイム変化への備え   2008/06/05

パラダイム変化は、突然やってくるものです。歴史的視座に立ち「覇権シフト」を概観することで視得てくる共通点があります。それは、「バブル崩壊」です。今日の世界はアメリカの覇権の下にあります。遡れば覇権は、中世イタリア→スペイン・ポルトガル→オランダ→イギリス→アメリカの順にシフトしました。時代のうねりは、長く緩慢な時の流れから突然の瓦解を引き起こし、幾度となく人々を翻弄してきました。

バブルは、物の価格が価値を超えて騰がる状態、と考えられますが、“通貨の信用が膨張した状態”と視るのが本当ではないでしょうか。 バブルは、「需給バランスの歪み」に起因します。――すなわち歪みは、供給過多の状況において、①需要不足を「借金」で賄い、かつ、②その借金が将来キャッシュフローの創出に反映しない、という二つの条件の下に起こるもので、通貨の信用膨張=貨幣価値の劣化を通じて、実体経済へ影響を及ぼします。

以上を踏まえた90年以降の状況は、次の通りです。

①「需要不足」は、需要サイドの購買力不足によって起こります。賃金の上昇率が生産性の上昇率を下回る購買力不足の状況下、生産余剰を需要サイドの誰かが賄わなければ経済の失速は必至です。――そのために政府が、国債を発行し需要不足の帳尻を合わせてきました。

②「将来に亘り得られるキャッシュフロー」は、経済価値を決定します。将来キャッシュフローに結びつく借金は、経済価値を創出し、財政を潤す作用があるために有効です。――がしかし、度重なる財政出動も、負のスパイラルに働き歪みを大きくしてきました。

つまり、返す当てのない借金を承知で経済を維持してきた、のが真相です。――いずれ、風船が破裂するのと同様に、借金の清算は、通貨の価値調整を、さらに実体経済の瓦解を通じて本源的状態へと回帰させていきます。 

わが国の「財政問題」は“深刻”で、財政学者の間では、「デッドラインを超えた」とする向きが大勢です。10余年前には、通産省と経済企画庁から「21世紀前半に財政が破綻する」旨のレポートが報告されています。なお、こうした情報は枚挙に暇がありません。

さて、「円=日本の通貨」は「日本銀行券」です。これは、日本銀行という株式会社が発行した「金券=紙幣」です。そうした理解を深めるためにも、日本銀行の「財務諸表」を一度ご覧になることをおすすめします。 

私は、いまの状況を「エレベーター」にたとえて考えます。それは、各々が“乗っているエレベーターの行き先が分からない”のです。上階へ行くつもりが、着いた先は地下の「霊安室」かもしれません? また、その逆もあります。止まって扉が開いたのち「外の景色を眺めてみなければ、何処か」が分からない、今の我々はそうした状況にあります。

 

⇒借金には「良い借金」と「悪い借金」とがあり、その違いとメカニズムについては、「経済価値創出の理論」によって科学的に説明できます。 そうした理論と手法は、「コカ・コーラ」、「ゴールドマン・サックス」、「クレディ・スイス」をはじめとする世界で300社を超える企業で採用されています(1998年時点)。

⇒バブルの発生条件(①②)を踏まえれば、世界中で起きている様々な状況――たとえば、「ドバイの不動産高騰」などは、如何なるモノなのか? といった真相が見えて来るはずです。理論は「勘所」を掴む働きをします。

 

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